| 哺乳類赤芽球の脱核過程における細胞骨格の変化 |
| 大室 弘美 |
| (東京大学医学部) |
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多くの生物の赤血球は有核であり、哺乳類の赤血球のみが無核である。哺乳類の赤芽球は終末分化過程で核を放出し(脱核)、無核となる。脱核の際、核は細胞膜と少量の細胞質を伴って伴って放出されるめ、核分裂を伴わない細胞質分裂と考えられているが、詳細な検討はなされていない。 本研究では、同調的分化を行っている細胞が容易に得られるハムスター胎仔卵黄嚢由来の赤芽球を用い、脱核に伴う細胞骨格の変化を解析した。この赤芽球は、胎齢10日目から11日目に起きる核凝縮および核の細胞膜への接近を経て、胎齢12日目に脱核する。 胎齢10日目の胎仔の赤芽球では、微小管は核の周囲の限られた部位にのみ存在し、中間径線維やアクチン線維は検出できなかった。このような細胞内の状態は、核の細胞膜への接近に何らかの関与をしていると考えられる。胎齢11日目には、ドット状のアクチン線維が細胞質および細胞膜付近に形成され、ミオシンも同様の局在を示すようになった。微小管は胎齢12日目までには完全に消失した。脱核しつつある細胞においては、アクチンとミオシンは脱核する核を包む細胞質と細胞膜に多く集まり、収縮鞘様の構造が観察された。この収縮鞘様構造は、細胞のくびれ部分にも観察されなかった。脱核にはアクチン・ミオシンが関与していると考えられるが、細胞質分裂とは異なる機構で細胞が分割されている可能性がある。 |